紋別簡易裁判所 昭和38年(ろ)16号 判決 1963年9月05日
被告人 江本平一
大一四・二・二七生 木材業
主文
被告人を罰金二、〇〇〇円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金二五〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
訴訟費用(証人大山正信に支給した分)のうち金六〇〇円を被告人の負担とする。
理由
(犯罪事実)
被告人は昭和三八年六月一五日午後七時一〇分ころ信号機の設置してある岩見沢市四条西五丁目先道路において、信号機の表示する信号にしたがつて運転すべき注意義務を怠り、右信号機が注意の信号を表示しているのに気づかず、これにしたがわないで普通乗用自動車北五は一〇三二号を運転通行したものである。
(証拠)
一 証人大山正信の当公判廷における供述
二 司法巡査作成の現認報告書(本件記録添付の起訴状引用の犯罪事実記載部分を含む。)
三 被告人の当公判廷における供述
(法令の適用)
被告人の判示所為は道路交通法四条二項、一一九条二項、一項一号、同法施行令二条一項に該当するが、所定刑中罰金刑を選択し、その所定金額の範囲内で被告人を罰金二、〇〇〇円に処し、右の罰金を完納することができないときは、刑法一八条により金二五〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、訴訟費用については、証人大山正信が司法巡査として本件犯罪捜査時に作成した現認報告書に引用の犯罪事実中信号機の表示している信号を「止まれ」と記載した誤りがなかつたならば、同証人の尋問終了後検察官の請求により訴因の変更がなされた経緯と当公判廷における被告人の供述とを合わせ考えると、同証人を当裁判所に召喚するまでもなく、その現在地の裁判所の裁判官に嘱託尋問しても採証の方法としては十分足りたと推認できるので、同証人に支給した旅費、日当および宿泊料のうち日当分六〇〇円だけを、刑事訴訟法一八一条一項本文により被告人に負担させることとする。
よつて主文のとおり判決する。
(裁判官 樫田寅雄)